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化膿性汗腺炎とタバコの関係
こんばんは。世田谷そのだ皮膚科の園田広弥です。
当院では、手術を行っており腫瘍皮膚科を掲げていることもあり
多くの「できもの」の患者さんが来院されます。
粉瘤というできものが頻度としては多いのですが、
粉瘤じゃないかと相談される患者さんの一定の割合で
「化膿性汗腺炎」
という別の病気の方がいらっしゃいます。
以前は慢性膿皮症という表現を用いることがあったのですが、今では化膿性汗腺炎で統一されつつあります。
粉瘤は手術療法で根治することが望める疾患ですが
化膿性汗腺炎は残念ながら手術をすれば治るという疾患ではありません。
病気についての詳しいことについては また 後日 述べようと思います。
化膿性汗腺炎の方は多くの方が喫煙者であることを実感として感じており
それに関連する論文を見つけましたので紹介します。
「Incidence of hidradenitis suppurativa among tobacco smokers: a population-based retrospective analysis in the U.S.A.*」
British Journal of Dermatology (2018) 178, pp709–714
化膿性汗腺炎と新たに診断されたのは
喫煙者 3,924,310人中7860人 0.2%
非喫煙者 8,027,790人中8430人 0.11%
と 喫煙者は約2倍化膿性汗腺炎が発生しやすいデータがわかりました。
この2倍は軽症から重症まで全ての方が含まれており
自分の経験では化膿性汗腺炎が重症である方は大半が喫煙者なので
重症度別の喫煙率も是非とも知りたいところではあります。
また、
化膿性汗腺炎は
化膿性の字もよくはないのですが、
細菌感染と皮膚科医でも誤解していることがあるのですが
細菌感染症ではありません。
海外では、日本では関節リウマチや尋常性乾癬に使用する
米国では2015年9月に、EUでは2015年7月より免疫抑制薬アダリムマブが使用されています。
日本でも6月5日、の適応追加を承認申請したと発表があったので、使用できるようになるのではないかと期待しています。
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園田広弥