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第3回 信濃町臨床皮膚疾患懇話会
こんばんは。世田谷そのだ皮膚科の園田広弥です。
先週の木曜日のことですが、第3回 信濃町臨床皮膚疾患懇話会に参加してきました。
この会には昨年も参加しましたが、今回も非常に実臨床に即したためになる話を聞くことができました。
慶應義塾大学医学部 皮膚科学教室 専任講師 山上淳先生による
「自己免疫性水疱症に関する最新の話題」
と
慶應義塾大学医学部 皮膚科学教室 専任講師 齋藤 昌孝先生による
「爪外来での最近の取り組み -爪乾癬の診断から治療まで―」
の2演題を拝聴しました。
外来が終わって駆け付けたものの、最初の演題は途中からしか聞けませんでした。
自己免疫性水疱症とは
自分の体が皮膚を攻撃することによって、皮膚、粘膜に水疱ができる病気のことです。
皮膚のどこを攻撃するかで病気や重症度が変わってきます。
当院でも診ている患者さんが複数人いる頻度の一番高い水疱性類天疱瘡では
今年のランセットに掲載されている最新知見を紹介してもらいました。
ドキシサイクリン200mg単独療法はPSL 0.5mgと効果は非劣勢とのことでした。
今まではロキシスロマインを使用することが多かったのですが、原文を参照の上ではありますが、使用を検討したいと思います。
また、近年多数の薬剤が処方されている糖尿病治療薬のDPP4阻害薬の最新情報や
治療に難渋することが多い、天疱瘡のリツキサン治療について概説していただきました。
爪についての講演では主に陥入爪と爪乾癬についてのお話でした。
巻き爪の話もありましたが、巻き爪に関しては根本治療が難しく
ワイヤー法など様々方法はありますが、残念ながら再発率が100%であること
根本治療は骨や骨棘を削るなどの外科的治療が必要なことを再確認しました。
外科的手術はハードルが高いので、対症療法をし続けるのも一つの選択してはありますが。
陥入爪は、爪が横の肉に食い込むことにより、疼痛と反応性の肉芽を形成し、我慢しているとさらに増悪していく疾患です。
慶應大学皮膚科では以前から爪母温存爪甲側縁楔状切除術を行っていることは知っていましたが、しっかり発表を聞くのは今回が初めてでした。
理にかなった方法であり、当院でも採用する予定です。ご期待ください。
世田谷区世田谷4-1-3世田谷医療COMMUNITY4階
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園田広弥