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痤瘡治療学術講演会 in Tokyo
こんばんは。世田谷そのだ皮膚科の園田です。
昨日は、痤瘡治療学術講演会 in Tokyoに参加してきました。
東京薬科大学 薬学部 病原微生物学教室 教授 野口雅久先生による
「薬剤耐性のアクネ菌の回避について」
と
秋葉原スキンクリニック 院長 堀内祐紀先生による
「ざ瘡治療で迷わないために」
の2題について拝聴しました。
耐性菌や抗生剤については、私の専門分野の一つでもありますので、質問もさせてもらいました。
欧米の後を追うように、日本でもにきびに使用する抗生剤の耐性化が着々と進んでおります。
わが国で使用されている、塗り薬の抗生物質と海外で使用されている抗生物質は違いがあるので直接比べるのは難しいのですが、進んできている現状は同じであります。
耐性化のメカニズムについては、細菌の遺伝子変異により起こりその遺伝子まで特定されているのですが、どのようにすれば耐性化しないのか、耐性化させないためにはどうすればいいのかという問題は実はあまり多くのことはわかっていません。
必要以上に抗生物質の内服や、点滴を使用すると耐性菌が増えるのは様々な規模の病院での実績がたくさんあるので確かだと思われます。
講演の中で、外用抗生剤では薬物濃度が非常に高いので耐性菌が生まれにくいのではないかとの話がありました。
皮膚の表面に関してはその可能性がありますが、
赤いにきびの治療に関しては外用剤だけでは治らない症例が多々あるのが事実なのです。
外用抗生剤については、フシジン酸は長期使用により耐性化する報告が複数なされていますし、
ゲンタマイシンの現在の耐性化も外用剤の濫用が原因ではないかと考えられています。
抗生物質ではないですが、皮膚にだから使えるにきび治療薬に過酸化ベンゾイルというものがあります。
この過酸化ベンゾイルは優れもので、
海外ではかなり長い間治療に使用されているのですが、なんと耐性化がないのです。
新規抗生剤の開発には莫大な費用がかかり、今後はあまり抗生剤も開発されないとの話もあります。
耐性化しない過酸化ベンゾイルをうまく使用することが全国の皮膚科医に標準化されれば、にきび治療に関しては日本はまだまだ明るい未来があると考えます。
早くより過酸化ベンゾイルが使用できる海外では残念ながら耐性化が日本よりはるかにすすんでいる現実もありますが
適正使用は責務と考えます。
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園田広弥
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