爪みずむしの内服治療
爪みずむしの内服治療
当院で行う治療
爪みずむしの内服治療について
爪みずむしの内服治療
水虫は国民病ともいえる皮膚の感染症で、かびの一種である白癬菌が原因となることから医学的には足白癬と呼ばれています。国民の5人に1人が水虫にかかっていると言われており、10人に1人が爪に症状がある爪みずむしにかかっていると言われています。
              爪みずむしの多くは足みずむしから始まります。皮むけ以外に自覚症状がないからといって放置しておくと治りにくい爪みずむしになってしまいます。爪みずむしの治療の第一選択は内服治療なのですが、適切に治療を行っている医療機関は残念ながら多くないのが悲しい現実です。
治療方法
爪みずむしの最優先で行うべき治療は内服薬です。このことを理解していない先生は実に多く、非皮膚科の皮膚科標榜医だけでなく皮膚科専門医の先生にも多くいらっしゃいます。最優先は内服治療であることは水虫を含む真菌症の専門家の先生がまとめた「皮膚真菌症診療ガイドライン」にもしっかりと明記されています。
「従来のガイドラインでは爪白癬治療の原則は、経口抗真菌薬の内服とされた。その後、爪白癬に保険適用を有する外用薬2剤が上市された。経口抗真菌薬に比べ外用薬の完全治癒率は低いものの、抗真菌薬の内服ができない、あるいは内服を希望しない爪白癬患者に使用される」
                  日皮会誌:129(13),2639-2673
爪みずむしの治療に用いられる内服薬はネイリン、テルビナフィン、イトリゾールの3種類です。爪みずむしの治癒には爪が生え変わる必要があるので、どの治療薬を用いたとしても治療期間は半年から1年程度要します。爪の伸びが悪い場合は2年かかることもあります。
ネイリンカプセル(ホスラブコナゾール)

2018年7月27日に発売された世界で一番新しい爪みずむしの治療薬です。ヒューマン・ヘルスケアのエーザイ株式会社で創薬され、強い抗真菌活性と広い抗真菌スペクトルを有することが確認されています。エーザイ株式会社が開発し、佐藤製薬が製造販売を行う近年では珍しい日本製の薬になります。ネイリンの名前の由来は爪(NAIL)に薬物が入る(IN)ことからネイリン(NAILIN)と命名されました。
											当院はネイリンの治療経験が豊富で、園田院長はネイリンの治療について医師向けの講演会も行っています。
治療スケジュール
1日1回1カプセルを12週間内服してもらいます。
| モデルケース | |
|---|---|
| 初診 | 顕微鏡検査で診断を確定しネイリンを6週間処方 | 
| 再診(6週間後) | 採血を行い、ネイリンを6週間処方 | 
その後は2-3か月ごとに治り具合を確認
必要な検査
内服後6-8週で少なくとも1度採血を行います。(2度行うこともあります。)
                          ※採血を伴う健康診断を受けていない方は治療前も採血を行います。
「本剤の投与により肝機能障害があらわれることがあるので、肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。」と添付文書に記載があります。
費用(3割負担の場合)
| 薬剤費 | 814.9円×12週間×3割負担≒20535円 | 
|---|---|
| 採血費 | 約1300円×1~3≒1300~3900円 | 
その他、診察料、処方箋料などがかかります。
テルビナフィン錠

1990年10月にイギリスで最初に承認され日本では1997年7月に承認されました。アメリカやイギリスでは日本とは用法用量が異なり、日本の倍の量(250mg)を半分の期間(12週間)で治療が行われています。
治療スケジュール
1日1回1錠(125mg)を食後に24週間内服してもらいます。
| モデルケース | |
|---|---|
| 初診 | 顕微鏡検査で診断を確定し採血を行い、テルビナフィンを4週間処方 | 
| 再診(4週間後) | 採血を行い、テルビナフィンを4週間処方 | 
| 再診(4週間後) | 採血を行い、テルビナフィンを4週間処方 | 
| 再診(4週間後) | テルビナフィンを4週間処方 | 
| 再診(4週間後) | 採血を行い、テルビナフィンを4週間処方 | 
| 再診(4週間後) | テルビナフィンを4週間処方 | 
その後は2-3か月ごとに治り具合を確認
必要な検査
内服前、内服後4週、8週、その後8週ごとに採血を行います。
                          頻度は決して高くありませんが、「重篤な肝障害(肝不全、肝炎、胆汁うっ滞、黄疸等)及び汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。本剤を使用する場合には、投与前に肝機能検査及び血液検査を行い、本剤の投与中は随伴症状に注意し、定期的に肝機能検査及び血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。」と添付文書に警告記載があります。
費用(3割負担の場合)
| 薬剤費 | 67.7円×24週間×3割負担≒3412円 | 
|---|---|
| 採血費 | 約1300円×4≒5200円 | 
その他、診察料、処方箋料などがかかります。
イトリゾールカプセル(パルス療法)

1987年8月にメキシコで最初に承認され日本では1999年に承認されました。爪みずむしに対するパルス療法は2004年に承認されました。
											併用禁忌の薬剤が多く、効果も他2剤より劣ると考えているので当院ではあまり使用しておりません。
併用禁忌薬剤
ピモジド、キニジン、ベプリジル、トリアゾラム、シンバスタチン、アゼルニジピン、アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル、ニソルジピン、エルゴタミン・カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン、バルデナフィル、エプレレノン、ブロナンセリン、シルデナフィル(レバチオ)、タダラフィル(アドシルカ)、スボレキサント、イブルチニブ、チカグレロル、ロミタピド、イバブラジン、ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期)、ルラシドン塩酸塩、アナモレリン塩酸塩、フィネレノン、アリスキレン、ダビガトラン、リバーロキサバン、リオシグアト
治療スケジュール
1回4カプセルを1日2回(1日量400mg)食直後に1週間内服し、その後3週間休薬する。これを1サイクルとし、3サイクル繰り返す。
| モデルケース | |
|---|---|
| 初診 | 顕微鏡検査で診断を確定し、イトリゾールカプセルを1週間処方 | 
| 再診(4週間後) | 採血を行い、イトリゾールカプセルを1週間処方 | 
| 再診(4週間後) | 採血を行い、イトリゾールカプセルを1週間処方 | 
その後は2-3か月ごとに治り具合を確認
必要な検査
内服後4週、8週に採血を行います。
                          ※採血を伴う健康診断を受けていない方は治療前も採血を行います。
「肝障害、胆汁うっ滞、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。」と添付文書に記載があります。
費用(3割負担の場合)
| 薬剤費 | 189.2円×8×3週間×3割負担≒9,535円 | 
|---|---|
| 採血費 | 約1,300円×2~3≒2600~3900円 | 
その他、診察料、処方箋料などがかかります。
治療薬の比較
| 製品名 | ネイリン 2018年発売 | テルビナフィン 1997年発売 | イトリゾール 2004年発売 | 
|---|---|---|---|
| 治療期間 | 12週間 | 半年間 | 12週間 | 
| 効果 | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆ | 
| 副作用 | ★ 採血が必要 | ★★ 採血が必須 | ★ 採血が必要 | 
| 併用禁忌 | なし | なし | 30種類 | 
| 薬価+検査代 (3割負担) | 20,600円+ 1,300円 x 1~3 | 3,500円+ 1,300円 x 4 | 9,600円+ 1,300円 x 2~3 | 
| おすすめ度 | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆ | 

| 医院名 | 世田谷そのだ皮膚科 | 
| 院長 | 園田広弥 | 
| 診療科目 | 皮膚科・腫瘍皮膚科・アレルギー科 小児皮膚科・美容皮膚科 | 
| 住所 | 〒154-0017 世田谷区世田谷4-1-3 世田谷医療COMMUNITY 4階 | 
| TEL | 03-3420-5005 | 
| 最寄り駅 | 東急世田谷線 松陰神社前駅より徒歩2分 世田谷駅より徒歩6分 | 
| 駐車場 | 共同駐車場6台分有り | 
| 休診日 | 日・祝 | 
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 09:30~12:30 | ● | ● | ● | ● | ● | ★ | - | 
| 14:30~15:00 | 手術 | 手術 | 手術 | 手術 | 手術 | - | - | 
| 15:00~18:30 | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | 
★9:30~14:30
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