ほくろ｜世田谷そのだ皮膚科｜母斑細胞母斑　色素性母斑

概略

ほくろとは黒く平らな丸い斑点を思い浮かべると思います。そのほくろを医学的にかみくだくと、母斑細胞母斑（色素性母斑）の中のある一部分のことです。母斑細胞母斑には実は種類がたくさんあり、分類方法もたくさんあります。これらも医学的にはほくろと呼ばれます。ほくろの種類によって特徴があり、治療方法が変わってくるのでとても大切です。

母斑細胞母斑と単純黒子

母斑細胞母斑とは、その名前の通り母斑細胞という細胞が増えることにより生じます。単純黒子では母斑細胞が塊を作らない状態で、黒色～黒褐色を呈します。小さく平らな母斑細胞母斑と単純黒子は見た目での判断は不可能なのですが、顕微鏡でみてみると別物なのです。別の疾患とも考えられていましたが、現在では、単純黒子は後天性母斑細胞母斑の境界母斑型のClark母斑の早期病変と考えられています。

原因

母斑細胞という色素細胞（メラノサイト）に似た細胞が増殖しておこります。その結果、黒褐色の色素斑後天性の母斑細胞母斑ではBRAF遺伝子の異常が報告はされていますが、その原因は不明です。

分類

まず、生まれつきある先天性と後天性の母斑細胞母斑に分かれます。
そして、顕微鏡で見たときに母斑細胞が増えている場所により３種類に分かれます。

• 境界母斑　母斑細胞が浅い部分（真皮表皮接合部）に存在しています。
• 複合母斑　境界母斑と真皮内母斑の混合型
• 真皮内母斑　母斑細胞が深い部分（真皮）に存在しています。

検査

ダーモスコピーという特殊な拡大鏡を用いて観察し、悪性の可能性を検討します。少しでも悪性の可能性があれば、皮膚を一部切り取って病理組織検査を行います。

治療

通常のほくろであれば、治療は特に必要ありません。
前述したとおり、真皮内母斑になると皮膚は盛り上がってしまうので、引っかかって困る場合や、時には出血することもあります。その場合は保険での手術を行っております。また、悪性が疑われる場合は、一部切り取る皮膚生検やすべて切除する場合もあります。
美容目的の平坦なほくろの治療は保険適応外ではありますが、炭酸ガスレーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザーを用いて治療を行っております。

症例写真

ほくろにはたくさん種類があり、見た目も様々です。短時間で除去できる場合が多いので、気になる方はご相談ください。